シルバー人材センターで働くには、シルバー人材センターに入会するための会員登録が必要です。
また、シルバー人材センターでの働き方は、ハローワークや求人サイトを介した働き方とは異なる点があります。正しく把握しておきましょう。
本記事では、シルバー人材センターの会員登録の方法や、働く流れ、仕事内容を紹介しています。この記事を参考に、ぜひシルバー人材センターにについて理解を深めてみましょう。
目次
シルバー人材センターへの登録方法を3ステップで解説
シルバー人材センターで働くには、シルバー人材センターへの登録が必須です。ただ、登録と言っても、何をすればいいか分からない方もいるでしょう。
シルバー人材センターへの登録方法は以下の3つのステップがあります。
- 登録資格、年齢制限を確認する
- 入会説明会に参加する
- 入会申込書を提出する
ひとつずつ詳しく説明します。
登録資格・年齢制限を確認する
シルバー人材センターの会員登録には、年齢制限も含めた以下の条件を満たす必要があります。
- 原則60歳以上で働く意欲がある
- シルバー人材センターの活動趣旨に同意できる
- 定められた会費を納入できる
- 常態的に仕事をしていない
会員登録できるのは、自分が居住している地域のシルバー人材センターのみです。会費は各シルバー人材センターごとに異なりますので、入会前に確認しましょう。
入会説明会に参加する
シルバー人材センターへの入会希望者は、必ず入会説明会に参加しなければいけません。 入会説明会では、シルバー人材センターの事業紹介や仕事のしくみ、入会案内の説明が行われます。各シルバー人材センターで、定期的に入会説明会が開催されていますので、まずは入会説明会の日程を問い合わせてみましょう。
入会申込書を提出する
入会説明会に参加し、シルバー人材センターの理念や事業内容に同意ができれば、必要な書類を添えて入会申込書を提出します。入会申込にあたって必要な書類などは以下の通りです。
- 顔写真
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など、居住地がわかるもの)
- 本人名義の口座がわかるもの(通帳や通帳のコピー)
- 会費
- 家族など緊急連絡先
会費の金額や必要書類については、シルバー人材センターごとで異なります。入会説明会で確認しておきましょう。
入会申込書と必要書類を提出し、理事会で承認を受けると、シルバー人材センターへの登録が完了となります。
シルバー人材センターの目的
シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通して生きがいを得て、社会貢献することを目的として設立されています。定年後に家にこもりきりになることを防ぎ、軽い労働を通して健康の維持増進を図ることも目的の1つです。
シルバー人材センターの仕事は、定年退職後というシルバー人材センター会員の年齢が考慮されています。短期的、臨時的な就業で、体に負担がかからない軽い労働が中心です。
収入を得ることで、社会参加を果たす役割も担っています。定年退職後に体を動かし、年金に加えて収入を得たい方にはおすすめの働き方です。
シルバー人材センターでの働き方
シルバー人材センターでの働き方は、下記の2種類があります。
- 請負・委任型
- 派遣型
依頼者とシルバー人材センター、会員との間に雇用関係がない働き方が「請負・委任型」です。逆に、シルバー人材センターと会員が雇用関係を結び、企業で派遣社員として働くことを「派遣型」と呼びます。
それぞれで働き方が異なるため、詳しく説明します。
請負・委任型
依頼者から依頼された仕事をシルバー人材センターが会員に依頼し、作業完了までを請け負ってもらう働き方を請負・委任型と呼びます。シルバー人材センターの会員である高齢者と、会員に仕事を依頼したシルバー人材センターや仕事の依頼者との間には雇用関係はありません。
そのため、労災保険や社会保険、有給休暇はありません。雇用関係はないため、仕事先の企業から指示や命令を受けることはなく、仕事の成果に応じた報酬を受け取ります。
派遣型
派遣型とは、シルバー人材センターと会員の間で雇用関係を結び、シルバー人材センターの社員として企業で派遣社員として働く方法です。 派遣先の企業の指示や命令によって業務を遂行します。派遣型ではシルバー人材センターと会員は雇用関係にあるため、有給休暇が取得可能です。ただ、シルバー人材センターの中には派遣を行っていないところもあります。
派遣型で働きたい人は、事前にお住まいの地域のシルバー人材センターに確認をしておきましょう。
勤務日数の目安
シルバー人材センターの仕事の勤務日数の目安は、月に7~10日で、週に20時間を超えない範囲と法律で定められています。例外として、厚生労働省が定めた基準に適合する場合に限り、週に40時間ほど働けます。これは、高齢者の雇用促進と労働力確保のための業務拡大を目指した特例措置です。
週に5日、1日8時間をしっかり働くという働き方ではありません。定年退職後はゆっくりペースで仕事をしたい人や、孫にちょっとお小遣いをあげたいという人にとっては良い働き方といえます。
シルバー人材センターでの仕事の流れ
シルバー人材センターの仕事は、以下のような流れで進みます。
- シルバー人材センターが仕事を受ける
- シルバー人材センターは会員に仕事を紹介する
- 会員が仕事を受ける
- 就業する
- 就業したら就業報告書を記入し、シルバー人材センターに提出する
- 就業報告書に基づいて、配分金を口座振込にて受け取る。(月末締めの翌月払い)
また、シルバー人材センターから紹介された仕事が希望と異なる場合や日程の都合がつかない場合には、断ることもできます。自分に合う仕事を選んで働いてみましょう。
シルバー人材センターで受けられる主な仕事内容
シルバー人材センターで受けられる仕事内容は、多種にわたります。現役時代の経験を活かして働く人もいれば、新しい仕事にチャレンジする働き方も可能です。
- 技術技能系
- 事務系
- 管理系
シルバー人材センターのたくさんの仕事の中から、この項目では代表的な上記3つの仕事内容について紹介します。
技術・技能系
技術・技能系の仕事は、下記の通りです
- 家庭教師
- 学習塾の講師
- パソコン指導
- 外国語の翻訳
- 自動車の運転
- 庭木の剪定
- ふすま、障子の張り替え
- 塗装、大工作業
- 刃物研ぎ
事務系
事務系の仕事は、下記の通りです。
- 一般、経理事務
- 調査、集計業務
- 筆耕、宛名書き、代筆
- パソコン入力
管理系
管理系の仕事は、下記の通りです。
- ビルやアパート、マンションの管理人
- 公的施設の管理業務
- スポーツ施設や遊戯施設の管理
- 駐車場、駐輪場の管理
見回りやかんたんな清掃業務もありますが、比較的、体への負担が少ない業務です。 やる気があれば、未経験からでも始められます。
他の仕事内容に関しては、「シルバー人材センターで働くには?求人年齢や仕事内容と給料目安も解説」で詳しく紹介しています。
シルバー人材センターの給料相場
シルバー人材センターの給料の相場は、月10日ほどの勤務日数で3~5万円程度です。 シルバー人材センターでの仕事は「働きがいを得るための就業」とされているため、毎月一定の額での収入が保証されているわけではありません。法律によって働ける日数も規制されているため、1カ月でまとまった額の給料を得るのは難しいです。
年金にもう少しプラスで収入があれば助かる、孫に何かを買ってあげたいという人には良い働き先です。
詳しくは「シルバー求人センターの給料相場は?見つけられる仕事の種類や問題点なども紹介」の記事もあわせてご覧ください。
まとめ:シルバー人材センターへの登録は難しくない
シルバー人材センターに登録するには原則60歳以上であることが条件です。他にもさまざま条件がありますので、自分が当てはまるか確認をしましょう。
シルバー人材センターで働く際には、入会説明会への参加は必須です。入会説明会後、入会申込書や必要書類を提出し、理事会の承認が得られるとお仕事開始となります。
シルバー人材センターへの登録は難しくありません。入会説明会に参加したからといって、必ず入会しないといけないこともないので、興味があればまずは入会説明会に参加してみるのも良いでしょう。
自身に合った働き先を見つけたい方は、「シニアにおすすめの求人先!高齢者の仕事の探し方や選び方のポイント」をご覧ください。
本メディアではシルバー世代に特化した求人情報を提供しています。シルバー世代ならではの働き方をさまざまな切り口から紹介していますので、ぜひ他の記事も参考にしてください。