シルバー人材センターの勤務日数の目安は、月に10日以内、週に20時間を超えない程度で、臨時や短期の仕事が中心です。生活していくには、お金がなければなりません。
ただ、シルバー人材センターの給料に関しては、いろいろな話を聞きます。実際、シルバー人材センターでの給料はいくらぐらいなのでしょうか。
本記事ではシルバー人材センターの給料相場や紹介される仕事の内容、シルバー人材センターで働く際の問題点を紹介しています。
本記事を参考に、シルバー人材センターへの理解を深めてみましょう。
目次
シルバー人材センターの給料は安い?実際の給料相場は?
シルバー人材センターの給料は安いという話も聞きますが、実際の給料相場はどうなのでしょうか。給料は働くうえで大事な要素のため、把握しておきましょう。
以下の3点から解説します。
- 月収相場
- 給料日
- 確定申告
月収相場
年齢は60歳以上から登録ができますが、年齢の上限はありません。 シルバー人材センターの月収相場は、月に10日程度の勤務で3~5万円程度の収入です。シルバー人材センターでの働き方には厚生労働省の規定があり、月に10日、週に20時間までしか働けないように規制されています。そのため、1カ月しっかり働いて、まとまった額の給料をもらうという働き方はできません。働き始めて後悔しないように、月収に上限があることは知っておきましょう。
給料日
シルバー人材センターの給料は、月末締めで、配分金は翌月の15日、賃金は翌月の25日です。 ただし、給料の支払日は各センターよって異なるため、入会時に確認してください。業務請負で行った仕事に対する給料を配分金と呼び、派遣業務に対する給料を賃金と呼んでいます。
給料は、シルバー人材センター通じて口座振込で支払われ、仕事の発注者から直接給料を手渡しされることはありません。
確定申告は必要?
シルバー人材センターの給料は配分金であり、税法上の雑所得に該当するため確定申告が必要です。 ただし、年間の公的年金額が400万円以下で、それ以外の収入が20万円以下の場合には確定申告は不要となります。配分金の収入に関しては、55万円までは必要経費として認められているため、配分金が55万円未満の場合には控除されます。
確定申告の要否については、個々の年金収入やシルバー人材センター以外の収入の有無によって異なるため、確認が必要です。
シルバー人材センターの仕組み
シルバー人材センターの仕事は、どのような流れで依頼されるのでしょうか。シルバー人材センターの仕組みについて、下記の2点から解説します。
- シルバー人材センターに登録した高齢者に仕事を紹介する
- 求人年齢制限は原則60歳以上
シルバー人材センターに登録した高齢者に仕事を提供する
シルバー人材センターでは、一般家庭や一般企業、または官公庁から請け負った仕事をセンター会員に紹介しています。 企業と個人が直接雇用契約を結ぶような一般的な求人とは異なり、シルバー人材センターを経由して仕事を請け負う形です。ただ、すべての会員の仕事量が平等となるよう、仕事はローテーションで回っています。日程の都合がつかない場合や苦手な仕事が回ってきた際には、断ることも可能です。
求人年齢制限は原則として60歳以上
シルバー人材センターで働くには年齢制限があり、原則として60才以上の人のみです。 年齢の上限はなく、働く意欲があれば80代でも働けます。年齢以外にも、シルバー人材センターの会員登録については、以下のような条件があります。
- シルバー人材センターの趣旨に賛同し、働く意欲のある人
- 定められた会費を納入できる人
理事会で入会が認められると、シルバー人材センターで仕事を請け負えるようになります。
シルバー人材センターの勤務日数目安
シルバー人材センターの勤務日数の目安は、月に10日以内、週に20時間を超えない程度で、臨時や短期の仕事が中心です。シルバー人材センターの勤務日数や仕事内容については、若年層の雇用機会の確保や高齢者の体力・体調面を考慮して、『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律』により定められています。
しかし、高齢者の雇用の拡大と人材不足を補うため、規制緩和されています。現在では、都道府県知事が認めた場合には月の勤務日数の制限はなく、週に40時間までの労働が可能です。
シルバー人材センターで見つけられる仕事内容
シルバー人材センターでは、以下のような分野の仕事を紹介しています。
分野 | 具体的な作業 |
技術分野 | 家庭教師 学習塾講師 パソコン指導 翻訳 |
技能分野 | 一般事務 経理 調査業務 集計業務 文書代筆 |
管理分野 | マンションや公的施設の管理 |
折衝外交分野 | 訪問販売 集金業務 配達・集配 |
一般作業分野 | 草取り 屋内外清掃 調理補助 農作業補助 |
サービス分野 | 家事手伝い 育児手伝い 介護施設補助 |
詳しくは「シルバー人材センターで働くには?求人年齢や仕事内容、給料目安も解説」の記事もあわせてご覧ください。
シルバー人材センターの問題点3選
シルバー人材センターで働くうえでは、いくつか注意点があります。注意点を知らないと後悔の原因になってしまうため、必ず把握しておきましょう。
シルバー人材センターの問題点を、下記の3つの観点から説明します。
- 希望する求人が少ない
- 収入が少ない
- 労働災害保険が適用されない
希望する仕事が少ない
シルバー人材センターにはさまざまな仕事がありますが、実際に紹介される仕事は草むしりや清掃業務がメインです。そのため、これまでに培ってきた技術や前職での経験を活かせる仕事が少なく、希望する仕事が少ないと感じている会員もいます。
事務作業や施設管理など、屋内でのデスクワークを希望する会員も多くいます。しかし、シルバー人材センターには屋外での仕事や体力が必要な仕事が多いため、希望する仕事が少なく、退会を検討するケースがあるのも現状です。
収入が少ない
シルバー人材センターでは、仕事を「生きがいを得るための就業」と定められているため、毎月一定の額の収入が保証されているわけではありません。そもそも、シルバー人材センターそのものが営利目的ではありません。一般の相場よりもだいぶ安く仕事を請け負っているため、会員への配当金も少なくなります。
東京都のシルバー人材センターでの草取り作業の金額は1人1日8,230円、清掃作業の場合は1時間980円からと、最低賃金より安いケースもみられます。仕事がハードのわりに、収入が少ないと感じる会員もいるようです。
労働災害保険が適用されない
シルバー人材センターの仕事には、労働災害保険が適用されません。 そのため、業務中に大けがを負った場合には多額の医療費がかかってしまう場合もあります。厚生労働省では対策を実施し、現在では各シルバー人材センターには「シルバー保険」の加入を義務付けています。
しかし、シルバー保険の適用範囲は十分とはいえず、腰痛や熱中症など起こりやすいケガや症状に対しては適用されません。シルバー人材センターの保障に関しては恵まれているとはいえない状況です。
シルバー人材センターの利用方法
シルバー人材センターを利用する際には、お住まいの地域のシルバー人材センターに入会をする必要があります。
ただ、入会に際して、何をすればいいのか分からない方もいるでしょう。以下の2点に沿って、シルバー人材センターの利用方法を説明します。
- 入会の流れ
- 入会に必要なもの
入会の流れ
シルバー人材センターに入会するためには、お住まいの地域のシルバー人材センターの入会説明会に参加し、事業に関する説明を受けなければいけません。 その後、入会申込書の提出と会費を支払い、シルバー人材センターに入会します。入会後の新人研修会に参加をすると、正式に会員と認められ、仕事を請け負えるようになります。
センターによっては、入会申込までインターネットで行える場合もあります。申し込みの際は、確認してみましょう。
入会に必要なもの
シルバー人材センターへの入会で必要なものは、以下の5点です。
- 顔写真(会員証に使用します)
- 本人名義の普通預金口座
- 会費
- 印鑑
- 緊急連絡先
ただ、 センターごとに必要なものや会費が若干異なります。 お住まいの地域のシルバー人材センターに確認のうえ、用意しましょう。
まとめ:シルバー人材センターの給料相場を参考に、入会するか検討しよう
シルバー人材センターは営利目的ではないため、最低賃金を下回る仕事もあり、仕事の内容と給料が見合わないと感じる人もいます。
また、センターから紹介される仕事は、除草作業や屋外での清掃業務も多いです。デスクワークやこれまでの経歴が活かせる仕事、屋内での仕事が少ない点を不満に感じている会員もいます。
給料が安い、希望する仕事が少ない点がデメリットですが、自分に体力に応じて働ける点がシルバー人材センターのメリットです。まずは入会説明会に参加してみて、会員登録をするかどうかを決めても良いでしょう。
自身に合った働き先を見つけたい方は、「シニアにおすすめの求人先!高齢者の仕事の探し方や選び方のポイント」をご覧ください。
本メディアではまだまだ働く意欲のあるシルバー世代の働き方についてご提案しています。シルバーの働き方を多数紹介していますので、ぜひ他の記事もあわせてご覧ください。