一度は、シルバー人材センターという名前を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、シルバー人材センターでの働き方や仕事の内容は、よくわからない人も多くいます。
シルバー人材センターでは高年齢層の生きがいを目的に、短期間・短時間で軽労作の仕事が紹介されています。
シルバー人材センターで働くには年齢制限があり、原則として60歳以上から働けます。また、働く際には事前に入会登録が必要です。働き方を知らないとシルバー人材センターで働けないため、流れを把握しておきましょう。
本記事では、シルバー人材センターで働く方法や仕事内容、給料目安など詳しく解説していきます。
目次
シルバー人材センターで働くには?
シルバー人材センターで働くには、お住まいの市区町村のシルバー人材センターへの入会が必要です。 シルバー人材センターでは、以下のように入会条件が定められています。
- 原則60歳以上
- 健康で働く意欲がある人
- シルバー人材センターの趣旨に賛同する人
- 地域、社会貢献をしたい人
- 入会申込書を提出し、理事会の承認を受けた人
- シルバー人材センターの会費を納入できる人
会員登録が完了した後、シルバー人材センターから仕事が委任され、働き始められます。会員全員が公平に仕事ができるように、仕事はローテーションで回すのが一般的です。
シルバー人材センターへの登録方法は、「シルバー人材センターへの登録方法とは?登録資格や働く流れなども解説」の記事もご覧ください。
そもそもシルバー人材センターとは
シルバー人材センターとは、「高齢者雇用機会安定法」に基づき、国や市区町村からの資金援助を受けて設置されている公益社団法人です。 60歳以上の高年齢者の働き先の確保や、生きがいを持って地域や社会に貢献することを目的として1982年に発足しました。シルバー人材センターは「自主・自立、共働・共助」を理念としており、会員の主体的な参画が求められます。
シルバー人材センターで請け負える仕事内容や就業時間は高齢者のライフステージを踏まえて、法律で規定されています。就業日数は月に10日程度・週に20時間を超えない範囲で、危険作業のない軽労作の仕事です。
しかし、収入においては「生きがいを目的とした収入」とされており、常に一定の収入が保証されるわけではありません。
注意点として、シルバー人材センターは仕事の紹介をしてくれますが、収入や労働時間において、一般的な求人や派遣会社とはしくみが異なります。
シルバー人材センターならではの就業・収入形態を理解しておきましょう。
シルバー人材センターの仕事内容7選
シルバー人材センターでは、さまざまな仕事を受けられます。仕事内容を知り、自分がやりたい仕事があるか確認してみましょう。
シルバー人材センターで受けられる仕事は、下記の7種類です。
- 技術分野
- 技能分野
- 事務分野
- 管理分野
- 折衝外交分野
- 一般作業分野
- サービス分野
技術分野
技術分野の仕事は、これまでの職歴やスキルを活かした仕事です。 具体的には、下記のような仕事があります。- 家庭教師や学習教室の講師
- パソコン指導
- 翻訳・通訳
- 自動車の運転
退職以前にやっていた仕事がある場合は、技術分野で経験を活かして働くのもよいでしょう。
技能分野
技能分野の仕事には、これまでの大工業や塗装業、造園業で培ってきた技能を活かす仕事があります。 具体的には、下記のような仕事です。- 大工作業
- 木工作(棚作りなど)
- 庭木の剪定
- 雨どいやウッドデッキの塗装
- 塗装作業
技能分野のスキルを持っている場合は、積極的に仕事を請け負ってみましょう。
事務分野
企業における事務作業をサポートします。 具体的には、下記のような仕事です。- 文書の作成
- あて名書きの代筆
- 毛筆を利用した賞状の作成
- 一般・経理事務
- 調査、集計
- 文字入力作業
毛筆が得意な方や文字がきれいな方は、代筆の仕事の依頼もあります。
管理分野
管理分野は主に、ビルや施設の常駐管理の仕事になります。 具体的には、下記のような仕事です。- ビルやマンションの管理
- スポーツ施設、遊戯施設の管理
- 駐車場、駐輪場の管理
主に屋内での座った仕事ですが、管理場所にとっては定時での見回りや、かんたんな清掃作業も含まれます。
折衝外交分野
折衝外交分野は屋外で歩き回る仕事ですので、体力が必要になります。 具体的には、下記のような仕事です。- 訪問販売
- 集金業務
- チラシなどのポスティング
- ガスや水道の検針
体力作りや健康管理も兼ねて、折衝外交分野で働く人もいます。
一般作業分野
一般作業分野は草取りや清掃、調理作業の仕事のため、特別な資格や技能は必要ありません。 具体的には、下記のような仕事です。- 草刈りや草取り
- 庭作業や農作業のお手伝い
- 屋内、屋外の清掃作業
- 包装・梱包
- 皿洗い、配膳などの調理作業
長らく家庭で主婦・主夫をされてきた方が活躍できる仕事です。
サービス分野
介護や育児、家事の補助作業がサービス分野のお仕事になります。 具体的には、下記のような仕事です。- 育児支援
- 介護施設での補助業務
- 家事の補助
- 遺跡の発掘作業
現在は核家族が増えていますので、小さな子どもがいる家庭にとっては、育児や家事の補助は大変喜ばれる仕事です。
シルバー人材センターでもらえる給料目安
シルバー人材センターでもらえる給料の目安は、月に8~10日の就業で月3~5万円程度です。 しかし、毎月一定額の収入が保証されているわけではなく、就業日数の保証もありません。シルバー人材センターでの収入があっても、年金は受け取り可能です。シルバー人材センターの給料については「シルバー求人センターの給料相場は?見つけられる仕事の種類や問題点なども紹介」の記事で詳しく説明をしています。
シルバー人材センターに関するQ&A
最後に、シルバー人材センターに登録する際の下記2つの疑問について回答します。
シルバー人材センターの求人年齢は?
シルバー人材センターには、原則として60歳以上から入会可能です。 年齢に上限はなく、働きたいという意欲があれば何歳になっても働けます。2020年3月現在、男女ともに70~74歳の会員が多いです。80歳以上の会員も全国で男性が60,000人弱、女性では25,000人おり、80歳を超えても活躍をしている会員も数多くいます。
参考:シルバー人材センター事業の概要2020
シルバー人材センターの仕事はきつい?
業務によって、また個人の感じ方や体力によって、きついと感じる仕事もあります。 たとえば草刈りや草取りなどは屋外でしゃがんだ姿勢での長い作業となり、ポスティングや検針業務はかなり歩く仕事です。中にはつらい、しんどいと感じる人もいるでしょう。しかし、きつい仕事は断ることもできます。シルバー人材センターと会員は、雇用関係にはありません。
そのため、シルバー人材センターから依頼された業務は、必ずしも引き受ける必要はありません。希望に合わない仕事は断る選択肢もあるため、自分に合う仕事を選んで働いてみましょう。
詳しくは「シルバー人材センターの仕事はきつい?実際の口コミや仕事内容、給料を解説」の記事もご覧ください。
まとめ:シルバー人材センターで働くには登録が必要
シルバー人材センターで働くには、お住まいの市区町村のシルバー人材センターへの入会が必要です。 入会しないとシルバー人材センターでは働けないため、必ず入会手続きはするようにしましょう。シルバー人材センターではさまざまな仕事を受けられますが、希望の仕事が受けられるとは限りません。給料の目安も、月に8~10日の就業で月3~5万円程度です。
ただ、シルバー人材センターだけがシルバー人材にとっての働き先ではないため、幅広く情報を集めてみましょう。自分に合った働き先を見つけたい方は、「シニアにおすすめの求人先!高齢者の仕事の探し方や選び方のポイント」をご覧ください。
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