シルバー人材センターの求人年齢は何歳?働き方や仕事内容も紹介

シルバー人材センターの求人年齢は何歳?働き方や仕事内容も紹介

シルバー人材センターで働きたいと思ったとき、求人年齢が気になる方が多いでしょう。年金以外の給料を得る手段の一つが、シルバー人材センターでの求人紹介です。年齢や働き方に応じた仕事を紹介してくれるため、無理なく収入を増やせます。

しかし、収入は増やせるものの人によっては働き方が合わない場合や仕事内容に不満がある場合があります。シルバー人材センターの求人年齢を把握し、働き方をイメージしてみましょう。

本記事では、シルバー人材センターの求人年齢や働き方、仕事内容を紹介します。シルバー人材センターの特徴を知りたい方、自分に合っているか検討したい方は、ぜひご覧ください。

シルバー人材センターの求人年齢

シルバー人材センターの仕組み

まず、シルバー人材センターとは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織です。

原則、市区町村単位に配置されており、基本的に都道府県知事の指定を受けた社団法人がそれぞれ独立した運営を行っています。

では、高齢者というのはどれぐらいの年齢を指しているのでしょうか。 答えは、「原則として60歳以上」です。 

理由は、定年退職した高齢者が対象になっていて、年度内に60歳になる方も含まれるためです。定年後もまだ働きたい方や、豊富な知識を活かしたい方の活躍できる場として作られています。

シルバー人材センターの仕組み

シルバー人材センターの仕組み

シルバー人材センターで仕事を受ける場合、仕組みはどうなっているのでしょうか。

主な流れは以下の通りです。

  1. シルバー人材センターが発注者(官公庁や法人事務所、一般家庭など)から仕事を請け負う
  2. シルバー人材センターからセンター会員へ仕事を提供する
  3. センター会員は仕事を遂行する
  4. 仕事が終わったら、発注者がシルバー人材センターへ料金を支払う
  5. シルバー人材センターからセンター会員へ賃金を支払う

センター会員はセンターへ行くことで求人紹介を受けられますが、実際に働く先は発注者の依頼する場所になるため注意が必要です。仕事内容も国や法人、一般家庭からさまざまな種類を依頼されています。

シルバー人材センターでの働き方

シルバー人材センターでの働き方

シルバー人材センターの求人年齢は60歳以上ですが、どのように働くのでしょうか。 シルバー人材センターの契約体系は、主に2種類あります。 

  • 請負・委任契約
  • 派遣契約

働き方という点で、勤務日数の目安についても解説します。自身が働く際に、想定していた働き方と違うと感じないように参考にしてください。

請負・委任契約

 請負契約とは、シルバー人材センターが発注者から受注した仕事をセンター会員に請け負わせる形態です。 

請負契約の流れは、下記のとおりです。

  1. 発注者とシルバー人材センター間で、仕事の完了を目的とした請負契約を結ぶ
  2. シルバー人材センターとセンター会員間で、仕事の完了を目的として請負契約を結ぶ
  3. センター会員が発注者の依頼内容完了まで労働を行う

注意点として、発注者はセンター会員と直接請負契約を締結していないため、指揮命令を行えません。

 委任契約とは、シルバー人材センターが発注者から受注した仕事をセンター会員に委任する形態です。 あくまでもセンター会員へ指示できるのは、シルバー人材センターのみです。

委任契約の流れを解説します。

  1. 発注者とシルバー人材センター間で、仕事の実施を目的とした委任契約を結ぶ
  2. シルバー人材センターとセンター会員間で、仕事の実施を目的として委任契約を結ぶ
  3. センター会員が発注者の事務所などで仕事を行う

注意点として、発注者はセンター会員と直接委任契約を締結していないため、仕事の指示を行えません。あくまでもセンター会員へ指示できるのは、シルバー人材センターのみです。

派遣契約

 派遣契約とは、シルバー人材センターが発注者から受注した仕事をセンター会員に依頼し、発注者の事務所などに派遣する形態です。 

派遣契約の流れは下記のとおりです。

  1. 発注者とシルバー人材センター間で、労働を目的とした派遣契約を結ぶ
  2. シルバー人材センターとセンター会員間で、労働を目的とした雇用契約を結ぶ
  3. センター会員が発注者の事務所などで労働を行う

請負・委任契約との大きな違いで、派遣契約の場合は、発注者側から指揮命令を行えます。

派遣契約を発注者とシルバー人材センター間で結んでいるため、発注者からセンター会員へ指示を出せるのです。

勤務日数目安

シルバー人材センターは、勤務日数を以下の通りに定めています。

臨時的・短期的な業務 おおむね月10日以内
簡易な業務 おおむね週20時間以内
特例措置
※派遣契約に限る
週40時間以内

特例措置として週40時間まで働けますが、派遣契約に限られたり、特定の会員に集中させず公平に提供したりなど、さまざまな条件があります。

60歳以上を対象としていることもあり、無理なく働けるように制度作りがされているのが特徴です。

シルバー人材センターで紹介される主な仕事内容3選

シルバー人材センターで紹介される主な仕事内容3選

シルバー人材センターで紹介される仕事にはさまざまな種類があります。そのため、新しい仕事に挑戦できる一方、自信の経験を活かして働くことも可能です。

主に、シルバー人材センターで依頼される仕事内容は、下記の3つです。

  • 事務職系
  • 大工系
  • 清掃系

紹介する仕事内容を参考に、自身の働き方を考えてみてください。

事務職系

事務職系業務の内容は以下の通りです。

  • 一般事務
  • 筆耕、宛名書き
  • 経理事務
  • パソコン入力
  • 調査、集計事務など

パソコンを使う仕事や、文字を書く仕事などがあります。

 専門性を求められることは少ないため、文字を書くのが好きな方やパソコン操作が苦にならない方におすすめです。 

大工系

大工系業務の内容は以下の通りです。

  • 庭木などの剪定
  • ペンキ塗り
  • 刃物とぎ
  • 障子、ふすま、網戸の張替えなど

スキルを求められる仕事内容が多くあります。 現役時代にスキルを磨いていた方や大工仕事に興味がある方におすすめです。 

清掃系

清掃系業務の内容は以下の通りです。

  • 屋内清掃
  • 屋外清掃
  • 除草、草刈り
  • カート整理など

専門性は求められませんが、立っている時や屋外での作業時間が長い仕事が多くあります。 掃除が得意な方や立ち仕事は苦にならない方におすすめです。 

他の仕事内容は、「シルバー人材センターで働くには?求人年齢や仕事内容、給料目安も解説」で紹介しています。

シルバー人材センターの給料は安い?相場を紹介

シルバー人材センターの給料は安い?相場を紹介

シルバー人材センターの会員として働いた場合、もらえる給料はいくらになるのでしょうか。実際に働いた後に、給料にがっかりしないよう参考にしてください。

実際に、シルバー人材センターで派遣として就労している方の勤務日数と給料を紹介します。

ひと月の就業日数 約7.3日
1日あたりの就業時間 4時間
平均月収 約3万円
 勤務日数はシルバー人材センターで定められているため、この方の場合の給料は「約3万円」です。 

次に、名張シルバー人材センターの求人をいくつか紹介します。

No 業務内容 時間 時給
1 小売業/準備作業・配達 15:00~18:00
土日休み
シフト制
902円
2 スーパー/調理補助 8:00~12:00
シフト制
933円
3 工場/塗装 7:00~18:00
午前/午後各5時間
土日休み
シフト制
933円
4 施設/清掃作業 9:00~16:00
月・火のみ
シフト制
950円
 時給として、約900円代前半です 

実際の給料はいくらになるのか計算してみましょう。一番時給が高いNo.4の「施設/清掃作業」で算出します。


勤務時間が9:00~16:00(1時間休憩)とすると、6時間勤務/日

月・火のみの勤務のため、週2日勤務

ひと月を4週間とすると、月8日勤務

950円×6時間×8日=45,600円


続いて、No.3の「工場/塗装」で算出します。


勤務時間が7:00~18:00(午前/午後各5時間)のため、5時間勤務/日

シルバー人材センターの「簡易な業務:週20時間」を適応すると、4日/週

ひと月を4週間とすると、16日勤務/月

933円×5時間×16日=74,640円


No.3の「工場/塗装」のように週5日勤務だと稼げる金額は大きいですが、週5日勤務の仕事の数はあまり多くありません。 一般的には、月3~5万円ほどが相場です。 

注意点として、シフト制を取っている求人が多く、1人で働く可能性は低いです。計算した金額がそのまま得られるとは限らないため、注意してください。

詳しくは、「シルバー人材センターの時給は?相場や労働時間などお金に関する疑問を解決」で詳しく解説しています。

シルバー人材センターで仕事をするメリット4選

シルバー人材センターで仕事をするメリット4選

シルバー人材センターで仕事をするメリットはいくつかあります。その中でも主な4つを紹介します。

  • 勤務先が自宅に近い
  • 無理なく業務を行える
  • 新しい出会いがある
  • ボランティア活動などにも参加でき、地域社会に貢献できる

メリットを知っていると、働き方のイメージが湧きます。メリットを理解して、充実した仕事をしてみてください。

勤務先が自宅に近い

シルバー人材センターは各市区町村に設置されています。 そのため、仕事先もお住いの市区町村にある場合がほとんどです。 

自宅に近い場所で仕事をするため、通勤時間が長くなることも少なく、交通費を抑えられます。その結果、体への負担も軽減できるため、依頼された業務に集中しやすい環境で就業可能です。

また、通勤時間が短いため、仕事以外の時間を趣味やボランティアなどに充てるような時間の使い方も可能です。自由な時間が増えるため、充実した日々を送りやすいようなメリットもあります。

無理なく業務を行える

勤務日数や時間が決められているため、長時間労働はなく、無理なく業務を行えます。 シルバー人材センターは、高齢者と分かったうえで業務の依頼を行うため、リスクが高い業務を任せることはありません 

例えば、重い荷物を移動させたり、脚立を使っての高所作業であったりなどの危険作業が含まれる仕事はありません。無理せずに仕事できるのは、シルバー人材センターならではのメリットです。

新しい出会いがある

シルバー人材センターでの仕事は60歳以上に限定されており、複数人と仕事を行うことが多いです。 そのため、年齢が近い人同士でつながりを持てる可能性があります 

自分の住んでいる地域での活動となるため、仕事でつながりができた人と、仕事がない日に会うこともできます。

仕事を辞めてしまうとなかなか新たな出会いがなく、日々同じことの繰り返しとなりやすいのではないでしょうか。シルバー人材センターで仕事をすると、新たな出会いがある場合が多く、日々がより充実したものとなるでしょう。

ボランティア活動などにも参加でき、地域社会に貢献できる

 シルバー人材センターには、地域社会に貢献しやすい求人が多く集まります。 シルバー人材センターではボランティア活動もしているため、活動が生きがいになっているという方も多いです。

例えば、子どもが被害者となる犯罪を防ぐため、子どもの登下校時の見回りや横断歩道を安全に渡れるような補助を行うなどの地域を守る活動をしています。

ボランティア活動への参加は、生きがいになりやすいです。仕事を通して今まで過ごしてきた地域に貢献できるのは、メリットといえるでしょう。

シルバー人材センターで仕事をする際の注意点3選

シルバー人材センターで仕事をする際の注意点3選

シルバー人材センターで仕事する際は、注意点がいくつかあります。注意点を知らないと後々後悔してしまう原因になるため、必ず把握しておきましょう。

シルバー人材センターで仕事をする際の注意点は、下記の3つです。

  • 必ずしも希望通りの仕事が紹介されるわけではない
  • 地域によってはシルバー人材センターがない場合もある
  • 労働災害保険に加入できない

注意点を理解して、仕事を行うか決めるための参考にしてください。

必ずしも希望通りの仕事が紹介されるわけではない

シルバー人材センターには単発の仕事が多いため、希望の仕事がすでに埋まっている場合やそもそも募集していない場合があります。 必ずしも希望の仕事ができるわけではないため、その点は把握しておきましょう。 

また、2〜3年働いたら他の会員へ仕事を譲ることもあります。自分の希望に合った仕事が見つかっても、長く続けることは難しいです。仕事が変わったら良い機会とし、新しい仕事に挑戦していきましょう。

地域によってはシルバー人材センターがない場合もある

基本的にシルバー人材センターは各市区町村に設置されていますが、全国の約4割の地域では設置されていません。そのため、 センター会員として働きたくても働けない地域もあります。 自身の住んでいる地域にシルバー人材センターがあるか、事前に調べておきましょう。

また、仕事の依頼数も地域によって異なります。依頼数が少なくて仕事が回ってこない場合もあるため、その点は把握しておきましょう。

労働災害保険に加入できない

会員には労働災害保険が適応されないため、 業務中のケガに対する治療費は自分で全額支払う場合があります。 

労働災害保険に加入できない代わりに、「シルバー保険」に加入します。ケガをしても国が負担してくれる場合もありますが、すべてのケガを補償していないため注意が必要です。

例えば、熱中症や腰痛などは補償外です。どの怪我が補償になるか気になる方は、調べておきましょう。

まとめ:シルバー人材センターの求人年齢は原則60歳以上

シルバー人材センターで働くと、働くことを通じて生きがいを得られます。年齢も含めた要点は以下の通りです。

  • シルバー人材センター会員は原則60歳以上
  • 各市区町村に設置している
  • 請負・委任契約と派遣契約がある
  • 自宅の近くで働くことができる
  • 短時間勤務が多いため、体への負担が少ない
  • 希望の仕事ができない場合がある

本記事で紹介した契約方法の違いやメリット、デメリットを理解したうえで仕事を選ぶことで、より充実した生活を送れます。本記事を読んで、シルバー人材センターについて理解しておきましょう。

ただ、シルバー人材センターだけがシルバー人材にとっての働き先ではないため、幅広く情報を集めてみましょう。自分に合った働き先を見つけたい方は、「シニアにおすすめの求人先!高齢者の仕事の探し方や選び方のポイント」をご覧ください。

シニアにおすすめの求人先!高齢者の仕事の探し方や選び方のポイント

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